ニャンちゅうのやさしさ

先月、大阪に行った。そのまま広島にも行った。遅めの昼食にお好み焼きを食べた。多かった。お腹がぱんぱんで動けなくなった。そのままホテルに戻った。

広いベッドにふたりで座り、大きなテレビをつける。時間が過ぎるのはあっというまだ。既に夕方で、教育テレビでニャンちゅうが始まった。わざわざ広島に来て、ニャンちゅうを観る。にゃんたる贅沢。

ニャンちゅうが私たちにクイズを出した。光の速度についてだった。3択で、ニャンちゅうは「どれかニャー」と言っていた。夫が「2番」と言う。私は「え」と言って彼のほうを向く。「乗り気なの!?」 彼は恥ずかしくて笑いをこらえるとき、上唇がぴくぴく動く。

ニャンちゅうは依然「どれかニャー」と言っている。子どもたちが念入りに考えられるように時間をとってくれている。ニャンちゅうはネコで、「ネズミの気持ちを理解したい」がゆえにネズミの着ぐるみをかぶっている。ニャンちゅうはやさしい。

いよいよ正解発表だ。夫は日本でテレビにかじりついている2番を選んだ子どもたちと共に喜んだ。年休をとり、はるばる広島まで来て。

月が変わった週末、彼は美容室に出かけた。ニャンちゅうが楽しかったと、美容師さんに話したらしい。