手元に保育園の連絡帳がある。「今日はお散歩の日でした。自動販売機を見つけた紺ちゃんは、ボタンを押してもジュースが出てこないことにとても怒っていました」と、担任の先生が書いていた。
夫とデパートに行く途中、駅のホームで喉が渇いた。自販機にお金を入れてミニッツメイドのボタンを押した。出てこない。私は少しむっとしたが、先生の言葉を思い出し、大人として自制した。よく見るとお金が足りてなかった。ひとりで恥ずかしくなり、もう少し小銭を入れた。小さいのに高いな。出てきたミニッツメイドを夫に渡す。「フタを開けてほしい」の合図である。お金はあっても握力がない。ぐびっと飲んだら、期待していた味と違った。私は少しむっとしたが、先生の言葉を思い出し、大人として自制した。