9月4週目の日記

9月18日(月)
書斎の観葉植物に、ぴょこっと新しい葉が生えた。ただ水やりだけを続けた、近視眼的な夏が終わろうとしている。季節は秋冬のほうが好き。こっくりとした色と雰囲気の部屋が好き。涼しい風が吹くまえに、昼からやっているクラフトビールのバーに行きたい。西日を受けながらお酒を飲んで、ポテトを食べて、ぼけーっとしたい。

9月19日(火)
夕食から1時間後、夫が私の部屋に来て「ねえ、これ一緒に食べない?」と言った。「あれ、さっきデザートの梨を出したのに、他のお菓子かな? なんだろ。ひゃっほー」と近寄ったら、小分けパックのもずく酢だった。賞味期限が1日切れたやつ。食卓に座って、開け口をぺりっとめくり、数回に分けて飲んだ。こういうの、彼らしくて好き。

9月20日(水)
頭が動くようになってきて、久しぶりに仕事。たっぷりたまっているように見えて、本質をつかめれば少ないように思える。

9月21日(木)
お世話になった士業の男性に贈ったものを届け終わったと、ヤマトからメール。ほどなくして、彼からお礼の電話がかかってきた。初めて会ったとき、彼は堅いスーツとは裏腹に、くまのプーさんのペンケースを持っていた。話の流れで言及すると、「好きなんです。特にクラシックのもの。今日もこれから展覧会に行くんです」と微笑みながら言った。それを覚えていたので、洋書の、イラストがフルカラーの4冊セットにした。持っていらっしゃるかも、という心配は杞憂だった。「いやあ、素敵です、かわいいです」と話していて、その声がかわいかった。

9月22日(金)
名駅で買いもの。コンタクトレンズ、食材、お花。夕食は豚の角煮。ゆで卵もたっぷりと。STAUBの鍋で作ったら、あっというまにできた。手間がかかるように見えて、放っておけばいいの、楽でいいな。帰ってきた夫がはしゃぐ。「角煮、好きなん?」と聞いたら、「こういうの食べたかった」と言った。手術以来、私の元気がなかったから、「言うと負担になると思って」と付け加えていた。料理らしい料理を作ったのは久しぶりだ。たぶん、私たちは同じ気持ちを共有している。その表現として、私は角煮を作り、彼は本心を隠す。

9月23日(土)
モーニングページを始めた。毎朝、ノートにばーっといろいろ書く手法。ジュリア・キャメロンという人が創始者。ジュリアの本を久しぶりに買ったので再開した。彼女は「ノート3ページ分よ」と言うけれど、日本語でやるのは少々難しいと思う。私はニーモシネのB5ノート1ページでOKというルールにした。このノートはページが3分割されている。3ページならぬ3パラグラフというところ。

9月24日(日)
夫とスーパーへ。もうすぐ新米の季節。ひいきにしている西塚農場は、秋に収穫したつや姫を毎年夏前には売り切る。今年は10月の下旬から新米の発送を開始する予定。それまでの、つなぎとしてのお米をどうするか。私にとってのお米は、西塚農場のつや姫かそれ以外か。ローランドみたいだ。西塚つや姫以外どうでもいいと思っているわりに、自分が日常に戻ったのが嬉しくて、「あれにしようよ」「これはどう?」と話し合って決めた。愛知のあきたこまち。