夫が自分で日焼け対策をしない。日焼け止めは私が買って、毎朝私が彼の顔に塗る。彼は「もー」「ぶぶぶぶぶ」「ぎゃーす」「ぬおおおお」といった奇声を毎日飽きずに発する。
「日傘買おうよ」と言ったら、「いらない」と返ってきた。
仕方がないので私が買った。似合うブルーグレー。邪魔にならない軽量タイプ。スマートな自動開閉。渡したら、次の日から使うようになった。実はこれ、よくある手法である。彼は自分で自分のためには買わないが、私が君のためだよと買ったものには弱いのだ。しかも、スペックが優秀。文句のつけようがない。
休みの日、出かけるとき、彼は自然に日傘を携えていた。まるで自分で買ったかのよう。こういうところが、かわいい。