第1幕
第1場
3月2日
スーパーの鮮魚売り場。ひなまつり用の食材が並んでいる。
妻「ねえ、ひなまつりのお祝いしたことある?」
夫「ないよ。4分の3が男じゃ何もない」
妻「6分の4が女の家も何もなかった」
妻「ひなまつりって何?」
第2場
3月3日
10時、妻、台所に登場。米を洗って浸水させる。退場。
11時、妻、台所に登場。炊飯器のスイッチを押す。具材を作り始める。こんにゃく、ごぼう、たけのこ、干ししいたけ。
13時、妻、混ぜごはんを作り終える。
夫、台所に登場。しゃもじを持ち、混ぜごはんを10回混ぜる。
夫「ふう、ぼくが紺ちゃんのために作ったよ」
夫、退場。
妻、角切りにした卵焼き、まぐろ(わさび醤油漬け)、サーモン、えびを載せる。薄切りかつ4つ切りにしたれんこん、斜め切りにした絹さやを散らす。バランスよくいくらを載せる。はまぐりの吸いものも作る。
第3場
妻、夫、食卓に登場。
妻、ちらし寿司をテーブルに並べる。日本酒とあまおう、吸いものも添える。スマートフォンで写真を撮る。
夫、桃の節句の主役のように、にっこにこでポーズを決める。
ふたり、「いただきます」と手を合わせて食べ始める。
A. ひなまつりとは、ちらし寿司とはまぐりのお吸いものを食べながらはしゃぎ、おたがいの健康を願う日