大学院に進学することにした。入学試験を受けると決めただけで受かってないし、受けるとしても今年度ではないし、入学もしていないのだけど、大きな決断なので書いておく。
専攻はアメリカ文学の予定。学部時代は英米文学専攻で、イギリス文学、アメリカ文学、言語学を必修で学んだ。ゼミこそ言語学にしたけれど、文学も好きだった。その心残りがゆえに、卒業後も勉強は続けた。家庭教師の先生のおかげで、文学の英語も読めるようになった。
学位を得てどうこうしたいとか、仕事に活かしたいとかはない。今の私は、とりあえずの肩書きはあるもののいろいろなことができ、いい意味で何者でもない。自分の中にグラデーションや移ろい、不明瞭さ、不安定さ、先の見えなさがありながらも、焦りや浮遊感なく立てている。純粋に学問を志すタイミングが来たと思った。いや、今までも志してきたんだけど、新しい場所にも行ってみたい気持ちが強くなった。
最近は情報収集したり、参考書を買ったり、院試の勉強を始めたりしている。いくつか目標ができ、生活に張り合いがある。
20代のころ、金銭面で院進を諦めたとき、あるいは仕事が忙しくて本が読めず、出張中のベトナムで泣いたとき、私はこんな未来の自分を想像していただろうか。底抜けに明るく楽観的なわけでもない、かといってただただ暗く厭世的でもない。いいぐあいのチューニング。試験に落ちたらまた受ければいいし、ゆっくり自分のペースで進めばいい。どこにいても、いくつになっても、私は結局同じものを愛しているんだから。