セルフレジ理論の適用

近所のスーパーのセルフレジが増えた。有人レジがひとつになった。お客さんは有人レジを好む人が多く、並ぶ。店への投書の掲示板にも、苦情ばかりが載っている。夫は有人派だ。今まで店員さんにお願いしていた労働が客に渡っただけである、コストカットの悪影響だとぷりぷりしていた。セルフレジの動線設計がかなり悪いこともあり、怒るのも無理はないと思う。私は空いてるほうを選ぶ派。

レディボーデンのアイスクリームがおいしい。チョコレートアイスにチョコチップが入ったミニカップ。私におみやげを買って来るならこれでお願いしますと、夫に伝えていた。

しばらくして彼は買ってきてくれて、私はおいしく食べた。彼は定期的な購入品についてはコストカットをもくろむ。ミニカップを数回買ったあと、大きいサイズ(パイント)を買ってきた。「これをこまめに食べるといいよ」

パイントにはチョコチップが入ってなくて、私は「む」と思った。でもまあ、チョコレートアイスは好きだし、いただきましょう。カップからワンスクープすくおうとする。硬くてうまくいかない。「うーーーにょーー」という変な声が出た。少し溶けたくらいでなんとかうまくいって、食べた。

別の日にまたワンスクープ食べようとしたら、この前よりもっと硬くなっていた。食べたいので懸命にすくおうとする。手が痛くなって休んでいるときに気づく。ミニカップだとこんな労力発生しないじゃん。「あっ、食べたい」と思って冷凍庫に行ったら、すぐに手に取れて、私はスカートの裾をふわっと揺らしながら優雅にエアコンの効いた部屋に戻れるじゃん。っていうか好きなのはチョコチップ入りだって。

また別の日にまた食べようとした。今度は夫が横にいた。私が硬いアイスと格闘しているのを見て、ひーっひっひっと悪い顔で爆笑している。「ねえ、これセルフレジと同じじゃん。きみのコストカットのしわ寄せが私に来ただけじゃん!」

これを読んでいる夫へ。私はミニカップが好きです。レディボーデンはチョコチップ、ハーゲンダッツはクッキーアンドクリームとストロベリーが好きです。よろしくお願いします。